国民が、『いつでも、どこでも質の高い』緩和ケアを受けるためには、「がん対策基本法」およびそれに基づく「がん対策推進基本計画」に示されているように、すべてのがん診療に携わる医師が、緩和ケアの基本的な知識を習得していることが非常に重要な課題である。本研究班では、平成20年4月に厚生労働省から出された「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針」(平成20年4月1日付け健発第0401016号厚生労働省健康局長通知)に準拠する形で、医師に対する緩和ケア教育プログラムPEACE(Palliative
care Emphasis program on symptom management and Assessment for Continuous
medical Education)を開発中である。
PEACEは、一般型研修会プログラム例、アイスブレーキング、緩和ケアの概論、症状アセスメント、がん性疼痛をはじめとする身体症状の緩和、そして地域連携に関する研修スライドからなっている。
現在作成されているのは以下のとおりである
(最新バージョンは日本緩和医療学会のWEBサイトからダウンロードできます)
1) 一般型研修会プログラム例
2) PEACE スライド
Module1 : プログラムの目的・研修会の説明
Module2 : 緩和ケア概論
Module3 : 症状の評価
Module4 : がん性疼痛
Module4-a : オピオイドの説明
Module4-b : オピオイドの副作用の説明
Module5 : 呼吸困難
Module6 : 嘔気・嘔吐
Module7 : 消化管閉塞
Module8 : 地域連携
3)なお、PEACEプログラムを行う際の研修会テキストとしては、今後、公開予定の日本医師会発行の『がん緩和ケアガイドブック』もしくは『がん性疼痛治療のエッセンス』の使用が推奨される。また詳細なものとしては、OPTIM(緩和ケアプログラムによる地域介入研究)のステップ緩和ケア、および患者家族用パンフレット(http://gankanwa.jp/ からダウンロード可能)があり、あわせてご利用していただきたい。
注) PEACEプログラムは、厚生労働省が定めた開催指針に基づく研修会を行う際のプログラムの一例であり、これに従って研修を行わなければならないというものではない。しかしながら、実際に緩和ケアの指導者が同研修会を開催する際のマテリアル、参考として有用であると考えたため掲載するものである。
4)プレテストおよびポストテストの実施については、日本ホスピス緩和ケア研究振興財団による『緩和ケア専従医のための自己学習プログラム』に多肢選択式の問題が多数収載され、詳細な解説がなされているため参考にされたい。(http://www.hospat.org/program.html)
5)現在、新モジュールが開発中であり、作成でき次第アップする予定である。